栗(くり)
もうすぐそこまで冬が来ていますが、秋が旬の食材で一つ忘れているものがありました。
栗です。もう何度か食べましたでしょうか。
栗と言えば、栗ご飯がパッと浮かんできますが、本当においしいですね。
そして、甘党の私にはスイーツで登場する栗も見逃せません。
栗饅頭、栗羊羹、マロングラッセ、栗きんとん、栗あんみつ。。。
茹でた栗を一生懸命スプーンでほじくって食べるのも好きです。
栗拾いなど行ってみたいですねー
●栄養バランスの良さに驚き●
栗の実は、ナッツ系と同じ種子なので、発芽するためのエネルギーの塊です。
意外とバランス良く、たくさんの栄養素を含んでいます。
特にビタミンCはみかん並みに多いです。
主成分は炭水化物で、蔗糖、ブドウ糖の他に、カロチン、ビタミンC、ビタミンB1、
ビタミンE、カルシウム、カリウム、鉄と幅広いです。
デンプン質が多いからでしょうか、栗の食感はどちらかというとナッツ系よりはイモ系に近いですね。
そして、とてもうれしい事に、このデンプン質はビタミンを保護するので加熱しても損失が少ないのです。
ジャガイモやサツマイモも栗と同じ理由で、加熱しても多くのビタミンCが残る食材です。
●消化・吸収のよい「温」の健康食材●
滋養強壮の効果があるので、病後の弱っている方や赤ちゃんの離乳食、足腰に自信がなくなってきた方などに適しています。
食欲のあまりない人でも、ほんの数個食べるだけで効率よくエネルギーやミネラルを補給することができます。
胃腸を温めて消化機能を助け、血液の流れを良くします。
人間に欠かせない栄養をたくさん含んでおり、お子様からお年寄まで幅広い方に最適な滋養食品です。
人々を気持ちよく温めて、疲れをとる食べ物なんて素敵ですね。
栄養豊富なので、冬へ備えての体力作りに役立てて下さい。
●ストップ…渋皮むき●
渋皮にはポリフェノールの一種である、タンニン・プロアントシアニジンなどを多く含み、抗酸化作用という事でがんや生活習慣病、老化防止に効果を発揮します。
また、マグネシウムとビタミンEの仲間であるγ-トコフェロールが多く含まれ、ナトリウムを排泄する作用があるとされています。
せっかくの渋皮をむいてしまうのはもったいないので、渋皮煮がおすすめです。
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卵(たまご)
さて、皆さんは週に何個卵を食べますか?
私は毎日食べる様にしています。
日本人は世界でトップ3に入る程、卵を食べているそうです。
中でも生で食べる習慣がある国はあまりない様です。
私は生でゴクリも好きです。。
レストランで働いていると様々な場面で卵が出てきます。
私は卵ほど不思議な食材はないと思います。
卵白と卵黄でそれぞれが多様に形を変えますし、
多くの調理法に対応しますし、料理のいろいろな所に
顔を出す縁の下の力持ち的な存在ですし。
余談ですが、卵黄は約65℃、卵白は約70℃で固まる性質を活かすと料理が楽しくなってきます。
●すばらし過ぎる栄養価●
まさに完全栄養食品です。ビタミンCと食物繊維以外は満遍なく含まれています。
たんぱく質、脂質、リン、カルシウム、鉄分などの無機質、ビタミンA・B1・B2・D・Eなど…
中でも卵のたんぱく質は、とてもとても良質で、しかも吸収率が非常に高いです。
たんぱく質を作るうえで大切な8つの必須アミノ酸がバランスよく含まれています。
たんぱく質の王様たる所以ですね。
メチオニンは、必須アミノ酸の一種で、肝臓でアルコールを分解するときに必要な成分です。
二日酔いの薬には必ず入っているほどで、他の食品に比べてタマゴに非常に多く含まれています。
がん予防にも効果がある事がわかってきました。
卵黄に含まれているコリンは、脳を活性化する脂質で、ボケ予防や記憶力アップに効果があると言われています。
また、血液を固まりにくくする働きがあり、お肌の老化を防ぐ効果もあります。
卵黄にはレシチンという脂肪酸が含まれ、血液の悪玉コレステロールを減らす働きがあると言われています。
もう声を大にして言いたいです。 「たまごは1日1個食べましょう!」
(時間がない時はゴクリで!←私の周りの人は嫌がります。。)
●コレステロール●
卵1個(約50g)にはコレステロールが約210mg含まれています。
卵=コレステロール=悪者という図式があるようですが、心配いりません。
健康な人なら、少し多く摂りすぎても、体内でコレステロール値を一定に保つ機能が働くので、
それほど神経質になる必要はありません。
1日3個を2週間、1日10個を5日間食べつ続けても、コレステロール値は変わらなかったという実験結果もあります。
卵にはコレステロールを下げる効果のあるオレイン酸も豊富です。
タマゴ1個は、わずかに81kcalと低カロリーです。
きちんと栄養をとる事ができ、体力をキープしてダイエットできます。
私はコレステロール値が平均より低く逆に危険信号が出ていました。
コレステロール値が低い人の方がガン死亡率は5倍だそうです。。
卵たべます!
●新鮮な卵の見分け方●
これはもう割ってみるしかないです。
食塩水の中に入れて横向きに沈むのは新鮮だというのもありますが。。
卵白に注目して下さい。
新鮮な卵は、卵黄を包む「どろっとした卵白」が盛りあがっており、外側の「水のような卵白」が少ないです。
そして卵黄も盛り上がっていれば文句なく新鮮です。
●殻や黄身の色で栄養価が変わる?●
一般的に卵の殻や黄身の色の違いによる栄養価の違いはないとされています。
どの様な環境で飼われていて、どの様な餌を食べているかで変わってきます。
でも、茶色い殻の卵に惹かれてしまうのはなぜでしょうか…
●卵の値段●
卵は物価がとても安定している物価優等生ですね。
しかし去年(平成16年)は変動が激しかったです。覚えていますか?
1月あたりは、戦後最安値の約95円でしたし、年末にかけては鶏インフルエンザの影響で
約260円まで高騰しました。
いつまでも、身近な栄養食品でいて下さい。
●卵料理あれこれ●
生卵、ゆで卵、卵焼き、目玉焼き、ポーチドエッグ、温泉卵、オムレツ、
オムライス、茶碗蒸し、ダシ巻き卵、厚焼き玉子、薄焼き卵、親子丼、煮卵、
カニ玉、ニラ玉、キッシュ、サバイヨンソース、ゴーヤチャンプルー、伊達巻、
ピカタ、しゃぶしゃぶにつける、とんかつの仕込み、マヨネーズ、卵スープ、
ポテトサラダ、お好み焼き、カルボナーラ、つなぎに使う、海老しんじょう、
タルタルソース、卵酒、ミモザ、プリン、クレープ、ドーナツ、
ケーキ全般…ふぅ。書ききれません。。
また長くなってしまいました。。最後まで読んで頂きありがとうございました。
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秋刀魚(さんま)
さんまの時期ですね。もう食べましたか?
私は先日、たまにフラッと行く定食屋さんでいただきました。ご夫婦で切り盛りされていて、アットホームな雰囲気の中、それもうおいしかったです。
だいぶ昔ですが、さんまが旬の時期に、築地にさんまを買いに行った事があります。
1匹単位では買えないので、箱ごと買って(確か20~30匹は入っていたでしょうか)、みんなでこれでもかという位、いろいろな調理法でおいしくいただきました。
●夏目漱石は三馬●
青い背と銀色の腹は、よく見るとそれはもう素晴らしい輝きで、まるで日本刀のようです。
さんまと言えば、「秋刀魚」という字が思いつきますが、江戸時代から明治かけては「三馬」の字を使っていたそうです。夏目漱石の「吾輩は猫である」の中に出ているとの事です。
現在の秋刀魚の字が使われる様になったのは明治の末から大正の始め頃からのようです。
●秋刀魚が出ると按摩がひっこむ●
さんまはとても栄養があるので、みんな健康になり、按摩(アンマ)さんの出番も少なくなるという諺です。
なんと言っても、旬のさんまは脂質がたっぷり含まれていて、とてもおいしいですね。
さんまの脂には栄養素がたっぷり含まれています。旬以外には極端に減ってしまうので、今の時期にたくさん食べたいですね。
さんまには、良質なたんぱく質を始め、カルシウムやマグネシウム、鉄、亜鉛などのミネラル、ビタミンA、B群、D、E、ナイアシン、葉酸などのビタミン類も多く含まれています。
皮膚や粘膜を丈夫にするビタミンA の一種であるレチノールは、ガン予防効果があることもわかっています。
青魚に特有の栄養素DHA・EPAは、動脈硬化、高血圧、心筋梗塞、骨粗鬆症、眼精疲労、脳血栓、脳梗塞、冷え症などに有効です。
DHAは例の頭が良くなると言われているものですね。脳細胞を活発化し、ボケ防止にもなると言われています。
背が青い魚を食べる時には、βカロチンの多い緑黄色野菜などと一緒に摂ると、より効果が高まります。
●おいしい秋刀魚を食べるために●
口先や尾の付根が黄色いものを選んで下さい!
身が締まっていて、うろこがついいて、大きめの方が脂ものっていておいしいです。
とにかく鮮度が命です。鮮度が落ちやすいので早めに調理します。ワタを出せば、冷凍することもできます。
ワタを取る場合は、頭を落とし、ワタの先を庖丁で押さえて、さんまの尾を持って引っ張ると、すっと抜けます。
ごく新鮮なさんまの肝はトロッとしていて甘味があり、 とてもおいしいです。「サンマは肝を食べなければ意味が無い」とまで言う人もいるくらいです。
しかし、1日も経つと完全な苦い肝の味になってしまいます。 これは鮮度が落ちて苦味の強いアミンが作られる為です。
脂ののった美味しいさんまは、10月くらいからでしょうか、それ以前の「はしり」に惑わされないで下さいね。
脂ののりが今ひとつなので、そのまま焼くと身がボソボソしてしまうので、お刺し身か、煮物がおすすめです。
脂ののった鮮度のいいさんまは、やはり塩焼きにたっぷりの大根おろしでしょうか。
大根が焼きこげの発ガン物質を抑える働きをします。焼き魚に大根おろしには、ちゃんとした根拠があります。
レモンやすだちを付ければ、ビタミンCも摂る事ができますね。
意外にうろこがありますので、よく確認して調理して下さい。
●目黒のさんま●
少し前ですが、目黒でさんま祭りをやっていました。
なぜさんま?と、あれ以来ずっと不思議に思っていました。
調べてみると、落語に「目黒のさんま」というものがあり、殿様が鷹狩りの帰途、目黒の茶屋で舌づづみを打ち「さんまは目黒に限る」と言ったそうです。
当時は、庶民がさんまを食べ始めたのに対し、武士達は下等魚として嫌っていたので、時代に合った演目だったようです。
来年の目黒のさんま祭りは楽しめそうです。
また長くなってしまいました。すいません。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
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メロン
メロンは果物の王様ですね。
マスク、アンデス、アムス、夕張、プリンス…
小さい頃は、病気になると食べれました。
そんな思いもあり、メロンを前にすると緊張します。
●メロンと言えば網●
キレイな網を見ると、また緊張します。
最高級の桐箱入りの極上品は2万円以上するものもありますね。
中には1株に1個しか作らない物もあります。
小さいうちに他の物を摘んでしまい、1個に栄養分すべてを集中させます。
それはそれはおいしいに決まっていますが、栽培工程はとても複雑で、
徹底して管理され大事に大事に育てらるので、もはや芸術品の域に達しています。
<網はどうやって出来るの?>
皮の成長が止まって固くなるのですが、果実は大きくなり続け、この時に表皮にヒビ割れ
ができて、この傷をふさぐために分泌液がコルク質の層になり網になっていきます。
ええ~ 要はかさぶたじゃないですか!
●お見舞いにメロン●
メロンには、果糖、蔗糖、ブドウ糖などの糖質が多く含まれ、これらは
体内ですばやくエネルギーにかわるので、疲労回復に効果大です。
●食後にメロンの秘密●
単に口を楽しませるだけではありません。
カリウムが豊富なので余分な塩分を排出し、また約90%が水分なので利尿効果も高まり、
肥満を軽減してくれます。
ビタミン、繊維質は、便通をよくし、肌をみずみずしくします。
お酒を飲んだ翌朝などもメロンを食べると、利尿効果で早くアルコール分が抜けます。
その他、カルシウム、マグネシウム、リン、ナトリウム、鉄、
品種によってカロチンとビタミンCも比較的多く含まれています。
●プリンス=皇太子●
昭和37年に皇太子御成婚にちなんで発売されたのが「プリンスメロン」です。
当時は一部の上流階層にしか口にできなかったメロンが、庶民にググっと近づきました。
大衆メロンとして、当たり外れのない甘さで、たちまち日本国中を席捲しました。
私が小さい頃は、まだプリンスメロンが幅を利かせていましたが、そう言えば、最近食べていないですね。
果皮の近くは緑色、中心はややオレンジ色をしていて強い甘みがあります。
小学校の給食でよく出てきました。皮に穴が開く程スプーンで削っていたのを思い出します。
●GABA(ギャバ)●
GABAというものが含まれているのですが、聞いたことありますか?
GABA(ギャバ)とは、ギャバロン茶に多く含まれるγ-アミノ酪酸のことで、高血圧を予防します。
温室メロン1個の中にギャバロン茶56杯分のGABAが含まれているそうです。
カリウムとの相乗効果でうれしい限りです。
●100点!!●
何が100点かと申しますと、名古屋市内の生協と大学が行った共同実験で、
食材の血の固まりやすさを抑える働きを点数化しました。
なんとマスクメロンは野菜、果物のなかではトップクラスの100点!
その他、野菜、果物の100点は、ラディッシュ、トマト、長ねぎ、春菊、ホウレンソウ、ニラ、にんにく…
脳血栓、心筋梗塞などを予防します。
意外とメロンって素敵な食べ物だったのですね~
高くて甘いだけではなかった。。
●番外編(メロンの食べ方いろいろ)●
・生ハムメロン。Withレモン汁orブランデー。
・フォークでつぶして凍らせ、サクサクのシャーベットに。WithシャンパンorワインもGood!
・一口大にカットして、砂糖水でさっと煮たものを冷凍し、翡翠(ひすい)色のちょっとした高級デザートに。
・熟したメロンを半分に切って種を出したものにブランデ-を半分ぐらい注ぎ、ラップをして3~5時間冷蔵庫で冷やした後でスプ-ンで混ぜながら。
・水気があまりなく甘みの薄いものに出会ってしまったら、ジャムにしてしまいましょう。
あっ。メロンパン好きです。少し前に、急にはやりましたよね。できたてアツアツが好きです。
思ったより長くなってしまいました。すいません。。
いつも長い文章を最後まで読んで頂いて、ありがとうございます。。